ピル 避妊

完璧な人間もいないし、完璧な避妊法もない。でも、望まぬ妊娠はしないに越したことはないもの。避妊について間違った知識もあふれています。ここでは正しい方法を紹介します。

望まない妊娠を避ける方法には、ピル、コンドームその他の方法があります。ここでは、日本で許されている方法を紹介します。膣外射精・性交渉後に膣を洗浄・いわゆる危険日を避ける、という方法は信頼できないと言えるでしょう。妊娠する可能性は、月経周期に関係なくいつでもあると考えてください。残念ながら、どんなに気をつけていても、妊娠してしまう可能性は常にあります。避妊が失敗した、避妊ができなかった、等の理由で望まぬ妊娠をしてしまい、中絶をしたいと思っていても解決方法が見つからない方は、一番下のメールにご一報ください。中絶薬に関して質問がある場合もご一報ください。

望まぬ妊娠を防ぐために

以下に、女性が使用する避妊方法と男性が使用する避妊方法を紹介しますが、避妊はどちらか一方が責任を持つものではなく、あくまでもカップルが話し合って協力し、互いの身体を守り合うことであることを決して忘れないでください。互いの身体を守ることは、尊敬を示し合うことです。決して恥ずかしいと思わず、オープンに話し合うことが理想です。また、100%避妊ができる手段はないことを忘れないでください。ですから、気をつけて避妊をすることが大切なのです。

女性が使う避妊方法

経口避妊薬 ピル

経口避妊薬(いわゆるピル)はエストロゲンとプロゲステロンと呼ばれるホルモンの相互作が排卵を抑えることにより妊娠を防ぎします。ピルは毎日飲むことで作用し、嘔吐や下痢の後は作用が働きません。一日服用を忘れて妊娠してしまう事もあるので、毎日、一定の時間に規則正しく服用するようにして下さい。副作用で、吐き気、頭痛、乳房圧痛、体重増加、不規則な出血や鬱症状などが出ることがあります。

女性用コンドーム

女性用コンドームは柔らかいゴム製で、使用できるのは一度だけです。一度使ったコンドームを再び使うようなことは、避妊の失敗になるので、絶対にしないでください。コンドームは、男性用も女性用も、精子が女性の体内に入らないよう、物理的な障害壁として作用しますが、女性用コンドームは、女性自身により性交の前に簡単に膣に挿入できます。精子と膣の直接的な接触、性器分泌物による感染、生殖器の損傷を防ぎます。長いチューブやさやのような形で、一方の端は塞がって、もう片方は開いています。曲げやすいリングが付いていて挿入するとその場所に留まります。エイズや性感染症の原因となるウィルスの感染の危険を減少する最も効果的な手段がコンドームです。

性感染症を防ぐためにコンドームの使用を

コンドームは性感染症のリスクを軽減させるのに高い効果があるとみなされている唯一の避妊手段です。経口避妊薬やインプラント、子宮内避妊具は性感染症の感染から守ることはできません。コンドームでも、気をつけて使用すれば高い確率で妊娠を防ぐことができますが、破損することや、付け方が間違っていて、中の精液がもれる事もあります。正しく使用することが大切です。相手のことをよく知らない場合、その人がどのような性感染症を持っているかはわかりません。恋人であっても、相手の全てを知っているわけではありません。不確かさが残るうちは、コンドームを使うことをお勧めします。これは男性用コンドームでも同じです。一般には、男性用コンドームの方が手に入りやすいかもしれません。

ペッサリー

ペッサリーは柔らかい縁がある天然ゴムのリングで、子宮膣部を覆い、殺精子剤と用いられます。産婦人科で処方をしてもらい、個々人に合ったサイズのものを装着してもらいます。ペッサリーは6時間避妊効果があります。射精後は最低6時間以上経ってから外しますが、24時間以内には取り出してください。

デポプロべラ

デポプロベラは腕または臀部の筋肉に3ヶ月に一度注射するホルモン避妊薬です。注射は3ヶ月に一度、規則正しく行わなくてはなりません。時に、月経が不規則になるこや、月経が来ないこともあります。

避妊用インプラント

避妊用インプラント(ノープラントやインプラノンなど)は小さなゴム製の棒状のもので、上腕の皮下に手術で埋め込み、避妊ステロイドのレボノルゲステレルを徐放します。効果は3年から5年です。副作用として月経周期の変化・体重増加・乳房圧痛・骨量の減少などがみられることがあります。

銅付加IUD

銅付加IUD(子宮装着内避妊具)は産婦人科等の医療専門家が子宮に挿入するT字型の装置です。IUDは5年から10年装着したままにしておくことができ、最も確実な避妊方の一つです。稀にIUDが外れることがあるので、毎月の月経後、指でIUDの糸があるか確かめる必要があります。その他、副作用として異常出血や痙攣があることがありますが、これらの副作用は、IUDの挿入中か挿入直後にのみ起こります。

ホルモン性IUD

ホルモン性IUDは小さなホルモン(プロゲステロン)が付着しているIUDで、これも成功率の高い避妊方の一つです。5年間装着が可能ですが、重い出血の副作用はありません。ホルモン性IUDを装着している多くの女性には軽い月経がありますが、時間が経つにつれ、月経が全く来なくなります。故に、重い月経を軽くする治療でもあります。

卵管結紮

女性の場合、卵管を外科的手術によって縛り(結紮)、卵子と精子の接触を防ぎます。これは永久避妊法で、女性の不妊手術です。のちに妊娠したいと思っている方は避けてください。

男性が使う避妊方法

コンドーム

コンドームは通常ラテックスゴム製です。一度のみの使用です。一度使ったコンドームは絶対に再使用しないでください。避妊の失敗になります。殺精子剤がついているコンドームもあります。コンドームは膣が精液や性器分泌物、または性器の外傷と直接的に接触することを防ぐので、避妊だけでなく、エイズやその他の性感染も防ぎます。

コンドームは、性感染を軽減させる最も有効的な手段です。相手のことをよく知らない時などには、必ずコンドームを使うようにしてください。性交の前に正しくコンドームを着用することが重要となります。

男性不妊手術

精管切除術が男性不妊手術で、短時間で行える手術です。出血や感染症など、手術後併発症が出ることがあります。勃起や射精能力に影響はありません。手術後、精子は精液中にほんの僅か(1%)しか含まれませんが、男性にとって射精の感覚は手術後も同じです。精子は体内に吸収されます。

中絶後の避妊

中絶後でもすぐに再び妊娠する可能性があります。まだ出血していても、痛みが残っていても妊娠する可能性はあります。ですから、性交渉を持つ場合、必ず避妊をしてください。

中絶後3日以内にホルモン性避妊薬を使用し始めるとすぐに効果があります。

性的に活発で避妊をしていない女性の約85%が一年以内にまた妊娠します。女性は授乳期、出産から10日目以降、しかも月経中にも妊娠することがあります。

膣外射精をしたり、いわゆる危険日といわれるものを避けたりする方法は信頼できず、妊娠や性感染症をうつすことを防ぐことにはなりません。

中絶薬

残念ながら、どんなに気をつけていても、妊娠してしまう可能性は常にあります。避妊が失敗した、避妊ができなかった、等の理由で望まぬ妊娠をしてしまい、中絶をしたいと思っていても解決方法が見つからない方は、ご一報ください。中絶薬に関して質問がある場合もご一報ください。info@womenonweb.org